6/30/2014

V.A / Light Wave '14 (Vol.1)



次世代のポップシーンを担うであろう新進気鋭のミュージシャン5組を収録した、ネットレーベル「Ano(t)raks」によるフリーダウンロード作品。コンピとしてのコンセプトも明確で、各曲の個性もかなり出ている。フリーといえども妥協がなく名盤。この上半期においてはアホほど聞きまくっている。フリー作品としては、Avec Avec「おしえて」以来のハマり具合だ。

5曲すべて良いが、中でも神戸のバンド「ブラウニー」のShin Rizumu氏による「嘘つきな女の子」は秀逸だ。まだ高校2年生なのにこの早熟な歌の世界。驚きを隠せない。

他にも辻林美穂氏「You Know...」のCymbalsのような胸ときめくストレートなポップだし(J-POPの基本的な様式は全て踏襲しているので妙に耳馴染みがいい。とても計算されている。)、Sodapopさんの性別不明のウィスパーは、タイプこそ異なるが阿部芙蓉美やフレネシばりに気持ちがいい。へそのすけさんの「すごくすごい人」みたいな言い回しや、北園みなみさんの「夕暮れには歌が歌えて 自分だけの言葉で薄紅の空を描く」という聞きながら引っかかりまくる多数の表現には、ひたすら脱帽&満足である。

どれもシティ・ポップに括れる体裁ではあるが、歌詞の内容は私小説以上J-POP未満といった具合で妙に没頭してしまうのだ。流行りの雰囲気シティ・ポップもいいが、またそれらとは一線を画す、というかそもそも異なるルーツの上に成り立っている。(個人的には、aikoやキリンジあたりがルーツとしてはしっくりくる。)

すべての楽曲ファイルに歌詞とジャケット画像がプリセットされている点もパッケージとして素晴らしい。

ところでタイトルはRound Tableの「Big Wave '71」のパロディ?それとも、元ネタがあったり、サーファーは波に年を付けるもんだったりするのか?「ナントカ WAVE 'XX」ってありがちなタイトルなのかな…何にせよ、今作はVol.1でして、全部で3迄出るそうなので期待!

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